更新: この記事は、RFI・RFP・RFQ の違いの比較表、AI 時代の RFP 作成のコツ、よくある質問 (FAQ) セクションの追加など、内容をさらに充実させて 2026年 3月 に改訂されました。
そもそも RFP とはどういう意味でしょうか?RFP とは、業務委託において発注先に提示する文書のことを言います。一般的に、依頼の概要や要件、納期などを記載します。RFP は英語の Request for proposal の頭文字を取った略語で、日本語では提案依頼書とも呼ばれています。
RFP は、情報システム導入やシステム開発、Web サイト構築、広告運用委託など、さまざまな分野で活用されています。とくに近年は DX 推進の影響もあり、IT 関連の業務委託における RFP の利用が増加傾向にあります。RFI(情報提供依頼書)や RFQ(見積依頼書)と併用されることも多く、ベンダー選定プロセスの中核をなす文書です。
RFP は発注者側が作成する文書です。プロジェクトマネージャーや発注を行う部門の担当者が作りますが、作成時は他のメンバーや、ときには社内の声を拾って RFP を作ります。
RFP を作成する目的は何でしょうか?RFP は多くの場合、業務委託、とりわけ情報システム導入やシステム開発の際に使われることが多いビジネス用語です。RFP をベンダーや発注先に提示することで、適切な提案を受けることができるます。新しいプロジェクトを立ち上げるとき、最適なベンダーを見つけるには RFP の作成は不可欠と言えるでしょう。
DX 推進が進む昨今、業務のデジタル化は避けて通れません。受けたい業務委託内容を適切に発注先に伝え、発注する側と受注する側の認識のズレをなくすために、RFP は重要な役割を果たします。
ベンダー管理用の無料テンプレートRFP とよく一緒に聞かれる用語に RFI があります。この RFI と RFP の違いとは何でしょうか?RFI は Request for information の略で、日本語では情報提供依頼書や情報要求書と呼ばれる文書です。
具体的な依頼内容を記載する RFP と違って、RFI はその基本情報をベンダーに伝え、受注可能な製品やサービス内容を提示してもらうことを目的としています。
また、RFQ(Request for Quotation:見積依頼書)もよく混同される用語です。RFQ は、特定の製品やサービスに対して具体的な価格見積もりを依頼する文書です。
以下の比較表で、RFI・RFP・RFQ の違いをわかりやすく整理しました。
項目 | RFI(情報提供依頼書) | RFP(提案依頼書) | RFQ(見積依頼書) |
英語名 | Request for Information | Request for Proposal | Request for Quotation |
目的 | ベンダーの基本情報や能力を把握する | 具体的な提案を依頼し、最適なベンダーを選定する | 具体的な価格見積もりを取得する |
使用タイミング | プロジェクト初期(候補企業の絞り込み) | ベンダー候補が絞り込まれた段階 | 要件が明確で、価格比較を行う段階 |
記載内容 | 会社概要、実績、対応可能範囲 | 要件定義、技術提案、スケジュール、体制 | 数量、仕様、納期、価格条件 |
詳細度 | 概要レベル | 詳細 | 非常に具体的 |
一般的には、RFI → RFP → RFQ の順番で進めることが多いですが、プロジェクトの規模や要件の明確さによっては、RFP から開始する場合もあります。
RFP を作成することが重要なことはわかりましたが、では具体的な RFP の効果は何でしょうか?具体的な RFP のメリットには、次のポイントが挙げられます。
発注側の要望を正しく伝えることができる
受注先を検討する際に役立つ
受注先とのトラブルを回避できる
プロジェクトの予算や日程を改善できる
それでは、それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
RFP の目的でも記述したように、RFP は委託したい業務内容を明確に示したもので、何が必要なのか、何がしたいのかを正確にベンダーに伝えることができる文書です。たとえ発注側が具体的な技術やサービスを知らなくても、「何がしたいか」を明記することで、受注側から最適な提案を受けることができます。
業務委託を検討する際、受注先候補が複数あることも多いでしょう。そういったときは RFP を候補先すべてに送ることで、どの提案が最良かを知り、ベンダー選定を合理化することができます。RFP は適正価格がわかるだけでなく、提案力のある企業はどこなのかを見極めるのにも役立つのです。
RFP で要件を明文化することは、将来的にはトラブル回避につながることもあります。委託内容が複雑になればなるほど、受注先と発注先のあいだに認識のズレが生じる可能性が高くなります。また、長期化するプロジェクトなら、両者のあいだで「言った、言わない」とトラブルに発展することも少なくないでしょう。RFP を作成し提示し文書として残しておくことで、こういったトラブルを事前に回避することができます。
記事: リスクマネジメントの基本と 6 つのステップを徹底解説希望する要件をまとめて提示する RFP は、実はプロジェクト内容を見直すこと、問題点や課題を発見することにもつながります。とくに予算やスケジュールを受注先からの提案で見直し、改善できることは RFP の大きなメリットと言えるでしょう。
一方で、RFP にはデメリットもあります。事前に把握しておきましょう。
・作成に時間と労力がかかる:要件を詳細にまとめる必要があるため、社内でのヒアリングや調整に時間を要します。 ・要件の変更が難しくなる場合がある:詳細な要件を提示することで、後からの仕様変更が困難になることがあります。 ・ベンダーの創造的な提案が制限される可能性:要件を細かく指定しすぎると、ベンダーの柔軟な発想や新しいアプローチを阻害してしまうこともあります。
これらのデメリットを踏まえたうえで、RFP の詳細度を適切にコントロールすることが重要です。
では実際に、RFP にはどのような項目を記載する必要があるのでしょうか?たとえ RFP を提示したとしても、記載内容が不十分ではベンダーから最良の提案を受けることはできないでしょう。必要な提案内容を受け取るためには、提案依頼段階で必要事項をきちんと伝えなければなりません。
RFP に書くべき基本的な内容をまとめてみましょう。
プロジェクトの概説: プロジェクトが組織戦略の中でどのような位置づけにあるのか、その全体像を公開できる範囲で記載します。会社情報もここに含めます。
プロジェクトの背景: どうしてそのプロジェクトが立ち上がったのか、その背景や現状の課題を説明します。
プロジェクトの目的とゴール: 依頼する業務やシステムを使って何をしたいのか、プロジェクトの具体的な目的とゴールを含めます。
提案依頼の手続き: どのような日程で提案スケジュールが進んでいくのかを提示します。予算もここに入れます。
提案依頼の概要: ベンダーに提案してほしい内容 (機能要件) やその範囲を明確に伝えます。また、必要ない内容 (非機能要件) も書き込みます。
上記以外にも、ケースによってはさらに情報を加えていく必要もあるでしょう。提案を受けるにあたってベンダーに知らせておきたい情報や取り決め、契約事項はすべて RFP に入れるよう心がけます。
また、コンペの場合は選定基準もあらかじめ明示しておくようにしましょう。
RFP を書く際のポイントは、「曖昧さを排除し、具体的に書くこと」です。たとえば、「使いやすいシステム」ではなく、「〇〇部門の担当者 50 名が日常的に使用でき、操作研修なしで基本機能を利用できる UI」のように、具体的な基準を盛り込みましょう。
RFP を作成するまでにどのようなステップを踏めばいいのでしょうか?
社内で現状を確認し課題を洗い出す: 各部門にヒアリングを行い、現状の課題やニーズを整理します。ワークマネジメントツールを使って情報を一元化するとスムーズです。
ベンダーの情報を収集する: RFI を発行して候補ベンダーの基本情報を収集し、対応可能な企業をリストアップします。
依頼内容を具体化する: 収集した情報をもとに、要件を具体化します。機能要件・非機能要件を明確にし、優先順位をつけましょう。
RFP を作成し提出する: テンプレートを活用して RFP を作成し、候補ベンダーに提出します。
提案を評価し、ベンダーを選定する: 受け取った提案を、あらかじめ設定した選定基準にもとづいて評価し、最適なベンダーを選びます。
ここで必要なのは、RFP を作る前に、社内で情報の洗い出しを行い、それを共有することです。依頼内容はすべてのチームが希望する要件に合ったものでなければなりません。RFP 策定の前に、社内でのヒアリングやミーティングを必ず行うようにします。社内での情報洗い出しの際には、共通のワークマネジメントツールがあるとスムーズに行うことができ、作業が効率化します。
電子書籍をダウンロード: ワークマネジメントとは?チームがワークマネジメントを必要とする理由新規のシステムや業務を委託するとき、ベンダー選定には RFP が必要不可欠であることがわかりました。しかし、RFP にはデメリットも伴っており、そのひとつが「発注前に労力がかかってしまう」こと。RFP の作成はできるだけ効率的に行うことが求められます。無駄な労力を使わないためにも、RFP のテンプレートを活用しましょう。テンプレートが手元にあれば、必要な項目を埋めるだけで RFP を作ることができます。
Asana で活用できる RFP テンプレートは、個々のニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。その時々で盛り込みたい内容も変わるので、カスタマイズしやすいテンプレートを利用することがおすすめです。
テンプレートを使う際は、まず自社のプロジェクトに合わせて不要な項目を削除し、必要な項目を追加しましょう。過去のプロジェクトで使用した RFP があれば、それをベースにアップデートしていく方法も効率的です。
記事: テンプレートとは?仕事に役立つテンプレートを紹介近年、AI ツールの進化により、RFP 作成プロセスも変わりつつあります。AI を活用することで、RFP の品質向上と作成時間の短縮を同時に実現できます。
AI を活用した RFP 作成には、以下のような方法があります。
・要件の整理と文章化: AI に要件のドラフトを作成させ、それを社内で精査する方法。過去の RFP データを学習させることで、より精度の高いドラフトが作れます。 ・市場調査の効率化: AI を使ってベンダーの情報やサービス比較を自動化し、RFI 段階の情報収集を効率化します。 ・文書の一貫性チェック: RFP 内の記述に矛盾や曖昧な表現がないか、AI でチェックすることで品質を向上させます。
ただし、AI が生成した内容をそのまま使用するのではなく、必ず人間が内容を確認し、自社の要件に合っているか精査することが重要です。
RFP の作成から提出、評価までのプロセスは複数のステークホルダーが関わる複雑な作業です。Asana のようなワークマネジメントツールを使えば、タスクの割り振り、進捗管理、ドキュメントの共有を一元管理でき、チーム全体の生産性を向上させることができます。
RFP の意味や目的、メリットなどの基本知識をまとめました。RFI と RFP の違いもしっかり把握し、ベンダー選定に役立てるようにしましょう。適切な提案依頼を受けるには、RFP に盛り込む内容にも注意を払うことが大切です。RFP 作成にはテンプレートを用いて、効率的に行いましょう。
さらに、RFQ との違いも理解し、プロジェクトの段階に応じて適切な文書を使い分けることで、ベンダー選定の精度が向上します。AI ツールの活用やワークマネジメントツールとの連携も検討し、RFP 作成プロセス全体を効率化していきましょう。