最終更新日: 2026年4月。KSF の関係性、KPI ツリー、具体例、失敗パターン、FAQ を追加し、内容を大幅に拡充しました。
ビジネスを円滑に進める上でかかせない指標「KGI」とは何か、知っていますか?「KPI」「KGI」「OKR」の違いは?
この記事では、KGI の定義や作成方法をわかりやすく解説します。これまであやふやだった知識を正しく把握して、ビジネスを成功へと導きましょう。
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KGI(重要目標達成指標)とは、最終目標である「ゴール」をどのように測定するのかを示したものです。何をもって「成功」「目標達成」とするのかを明確化した指標です。
ビジネスを進めるには、まず KGI を設定することが先決となります。KGI は抽象的なものではなく、具体的な数値として示されることが一般的です。
この指標は企業や大きな組織に限らず、個人事業やスタートアップにおいても、KGI を設定することは成功への第一歩となります。
KGI と一緒によく使用される言葉に「KPI(Key Performance Indicator)」があります。「重要業績評価指標」と訳される KPI もビジネスを効果的に進めるのに不可欠な要素です。
KGI が最終的な目標やゴール・成果の指標であるのに対し、KPI はその最終目標に到達するまでのプロセスにおける達成指標です。プロセスの達成度合いを評価する「中間目標を定める指標」とイメージするとわかりやすいでしょう。
それぞれを設定するときは、ロジックツリーを活用します。まず最終的ゴールを頂上に置き、そこから着手すべき要素に分解しながらツリー形状に整理していきましょう。
KSF(Key Success Factor)とは、重要成功要因を意味します。KGI を達成するために必ず満たすべき条件や取り組みのことです。
KGI・KSF・KPI の関係は階層構造になっています。まず最終目標である KGI を設定し、それを達成するための成功要因として KSF を特定します。
KSF をもとに日々の業務で追うべき指標が KPI となります。この三層構造を意識することで、現場の行動と経営目標が明確につながります。
KPI ツリーとは、KGI を頂点に置き、それを達成するための KPI を段階的に分解して図示するフレームワークです。
ツリーの上位に KGI、中間層に各部門の KSF と KPI、末端に個人の日次業務を配置することで、組織全体の目標がひとつの構造として可視化されます。
KPI ツリーを活用すると、どの業務が最終目標に貢献しているかが明確になり、優先順位の判断がしやすくなります。
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KGI と KPI の違いを見ましたが、もうひとつ確認しておきたいのが、OKR(Objective and Key Result)との違いです。
OKR は「目標と主要な結果」と訳されるビジネス用語で、「目標」を「主要な結果」によって測定するフレームワークのことを言います。Google でも採用された手法として有名で、KGI と KPI を合わせたような構造が特徴的です。
OKR が KGI や KPI と異なる最大のポイントは、目標を数値化しなくてもいいところです。定量的かつ現実的な目標である KGI や KPI と違い、OKR は野心的な高い目標を設定できるので、長期的目標を定めるのに有効な手段といえます。
電子書籍をダウンロード: Asana の OKR 設定作戦ブックOKR テンプレートを作成ビジネスや事業の最終目標を定量化するためのこの指標を設定する意義とは何でしょうか。KGI のメリットをいくつか挙げてみます。
・モチベーションが向上する
・KPI を定めやすくなる
ゴールが明確に見えていることは、会社にとっても従業員にとっても重要です。自分が属している組織がどこへ向かっているのか、その方向性がわかっていなければ、ただ労働しているだけという実りのない事態が発生してしまいます。
KGI は目標を数値として表すことができるので、あいまいさを省き、向かうべき目標をはっきりと捉えることが可能です。
数値化されたゴールがはっきりと見えることで、従業員やチームメンバーのモチベーションもアップします。KGI がしっかりと定まっていれば、そこへ向けた戦略も立てやすくなります。
ただ与えられたタスクをこなすのではなく、そのタスクが明確な目標につながっていることを理解できれば、仕事へのやる気も上昇します。
KGI を設定する意義のひとつが、KPI が定めやすくなることです。いわば KPI は KGI で定めた目標を細分化したものなので、逆に言えば、KGI がなければ正しい KPI を定めることはできません。
従業員がこなす日々のタスクやプロジェクトは、最終的には KGI というゴールを見据えています。KPI を設定するためにも、まずは KGI を決めることが重要です。
KGI を設定することで、事業全体の進捗状況を客観的に把握できるようになります。数値目標があれば、現在地とゴールとの距離が明確になり、計画通りに進んでいるかどうかを判断しやすくなります。
定期的に KGI の達成率を確認することで、遅れが生じている場合には早期に対策を講じることができます。問題が小さいうちに軌道修正できるため、大きな損失を防ぐことにもつながります。
進捗を数値で示すことで、チーム全体で現状認識を共有しやすくなります。「今どこにいるのか」が見えることは、次の一手を考えるうえで欠かせない情報です。
KGI は社内外のステークホルダーに対して、事業の方向性と成果を伝えるための共通言語となります。経営層や投資家、取引先に対しても、具体的な数値目標があることで説得力のある説明が可能になります。
特に予算交渉やリソース配分の場面では、定量化された目標があると判断材料として活用しやすくなります。抽象的なビジョンだけでは伝わりにくい内容も、KGI を通じて明確に示すことができます。
ステークホルダーの理解と協力を得られることで、事業推進のスピードが上がり、必要な支援を受けやすい環境が整います。
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それでは、具体的にどうやって KGI を設定すればいいのでしょうか。設定する際に考慮すべきポイントや注意点をまとめてご紹介します。具体例もいくつか挙げるので、参考にしてみてください。
正しい KGI とは、明確に定量化され、数値として表す必要があります。たとえば、「来年度は売上を増やす」という目標はこの指標の基本から外れています。具体的な数字で示されていない目標だからです。
これを KGI の基本にのっとり修正すると「来年度の売上を今年度より 20% 増やす」となります。
KGI は現実的な数字で設定します。あまりにも高すぎる非現実的な目標は、従業員のやる気と自信を失ってしまう恐れがあります。たとえば「来年度の売上を今年度の 3 倍にする」という最終目標は、具体的ではあるものの現実的ではありません。
設定は低すぎてもよくありません。すぐに達成できてしまう目標は従業員のモチベーションを下げ、メンバーたちは達成後どこへ向かえばいいのかわからなくなってしまいます。KGI も KPI 同様、現実性のある設定を心がけることが大切です。
前述の 2 点を含めた目標設定の考え方で有名なのが、SMART モデルです。
SMART とは、以下の要素の頭文字をとったビジネス用語です。
具体的 (Specific)
測定可能 (Measurable)
達成可能 (Achievable)
現実的 (Realistic)
期限がある (Time-bound)
この 5 つの要件は、KGI だけでなく KPI を設定するときにも役立ちます。SMART については「より SMART な目標の作り方」を参照してみてください。
最終目標は会社のトップ層が知っていればいいわけではありません。KGI は KPI と連動しており、その KPI は従業員が日々こなすタスクや仕事と直接関連しています。KGI は組織全員の共通認識としてシェアされるべき情報なのです。
KGI を設定し社内で共有するときは、ワークマネジメントツールを使用しましょう。PDF 文書やスプレッドシートなどで目標を文書化しても、ほかの情報に埋もれて必要なときに見つけられないようでは意味がありません。
KGI は社内の誰もがすぐに参照できるところにあるべきなので、情報を一元化できる優れたワークマネジメントツールで管理するのがおすすめです。
KGI を設定する際は、会社の経営理念やビジョンから逆算して考えることが重要です。最終目標が企業の目指す方向性と一致していなければ、達成しても本質的な成長にはつながりません。
まず「会社として何を実現したいのか」というビジョンを明確にし、そこから「今期で達成すべきこと」を導き出します。この順序を踏むことで、KGI が単なる数字ではなく、組織の存在意義に根ざした目標になります。
経営層だけでなく現場のメンバーにもビジョンとの関連性を伝えることで、KGI に対する納得感が生まれ、目標達成に向けた一体感が醸成されます。
KGI と KPI は抽象的に理解するよりも、実際の業務シーンに当てはめることで活用しやすくなります。以下に代表的な部門ごとの具体例を示します。
部門 | KGI | KSF | KPI |
営業 | 年間売上 10 億円 | 新規顧客開拓 | 月間商談数 50 件 |
マーケティング | Web 経由リード数 年間 5,000 件 | コンテンツ施策の強化 | 月間 PV 数 10 万 |
カスタマーサクセス | 解約率 5% 以下 | 顧客満足度の向上 | NPS スコア 50 以上 |
営業部門の KGI を「年間売上 10 億円」と設定した場合、KSF は「新規顧客の開拓」になります。この KSF を達成するための KPI として「月間商談数 50 件」を設定します。
商談数という日々追える指標を KPI にすることで、営業担当者は売上目標から逆算した行動計画を立てやすくなります。
マーケティング部門の KGI を「Web 経由リード数 年間 5,000 件」とした場合、KSF として「コンテンツ施策の強化」が挙げられます。KPI は「月間 PV 数 10 万」です。
PV 数を毎月モニタリングすることで、コンテンツの改善サイクルを素早く回せます。KGI との連動が明確なため、施策の優先順位もつけやすくなります。
カスタマーサクセス部門では「解約率 5% 以下」を KGI とし、KSF を「顧客満足度の向上」と定めます。KPI には「NPS スコア 50 以上」を設定します。
NPS を定期的に計測することで顧客の状態を定量的に把握でき、解約防止に向けた具体的な打ち手を早期に講じられます。
Asana は、チームの管理プロセスを端から端まで網羅できるように設計されています。
KGI を設定しても期待した成果が出ない場合、設定や運用のプロセスに問題が潜んでいることが多いです。代表的な失敗パターンを把握しておくことで、同じ過ちを防げます。
「売上を伸ばす」「顧客満足度を高める」といった抽象的な表現は KGI として機能しません。達成したかどうかを客観的に判断できる数値目標を設定することが重要です。
例えば「売上を伸ばす」ではなく「今期末までに年間売上 10 億円を達成する」のように期限と数値を明記します。
KGI と KPI がそれぞれ独立して設定されると、KPI を達成しても KGI に近づかないという事態が起きます。KPI は必ず KGI の達成に直結する指標を選ぶ必要があります。
KGI を設定したあとに KSF を特定し、その KSF から KPI を導く手順を踏むことで、連動性を担保できます。
KGI を設定しただけで定期的なレビューを行わないと、目標が形骸化します。週次・月次での進捗確認と、必要に応じた軌道修正の仕組みをあらかじめ設計しておくことが大切です。
市場環境や競合状況が変化した場合でも、期初に設定した KGI を硬直的に維持し続けるケースがあります。KGI は一度設定したら固定するものではなく、環境変化に応じて見直す柔軟性が必要です。
定期的なレビュー会議で外部環境の変化を確認し、KGI の妥当性を評価するサイクルを組み込むことが推奨されます。
KGI を中心とした目標管理の効果は、実際の企業事例でも確認できます。ビューティーブランドの KENDO は、目標の一元管理によってチーム全体の連携と業務効率を大幅に改善しました。KENDO の事例を読む
目標の可視化により作業時間を 87 日分削減し、時間節約効果を 58% 向上させることに成功しました。明確な KGI の共有がチームアライメントと効率化にどれほど貢献するかを示す好例です。
サービス業での目標管理フレームワーク活用事例として、bookkeeping・HR サービスを提供する Stride の取り組みが参考になります。Stride の事例を読む
OKR と目標トラッキングを導入した結果、月次会議を 50 時間削減し、クライアントの更新収益も増加しました。KGI を軸にした目標管理がサービスビジネスにもたらす実際の効果を示しています。
KGI とは何か、その定義と目的、設定するときのポイントをまとめました。解説した KPI や OKR との違いを参考に、正しく設定しましょう。
最終的なゴールである KGI は、毎日の仕事と直接結びつけることはなかなか難しいかもしれません。大切なのは、自分が今行っている仕事やタスク、アクションが KPI へ、そしてその KPI が KGI へとつながっていると従業員が正しく認識していることです。
そのために KGI は確実に見える化するようにしましょう。情報の可視化や目標管理には、Asana のようなワークマネジメントツールを用いると便利です。
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